今更聞けない!月の満ち欠けと潮の満ち引きのメカニズム
海釣りを楽しむ上で、一番大切な知識の一つでもある
『月の満ち欠け』と『潮の満ち引き』。
出産や自然現象にも影響を与えているとされ、ほぼすべての生物に作用する自然の摂理と言えます。
とりわけ、海釣りはこれらの影響をダイレクトに受けるスポーツなので、自然を相手にする釣り人たる者、最低限の知識がないといけません。
そんなわけで、今回のエントリーではそうした知識の確認のため、学生に戻った気分で理科と物理のお話をしていきたいと思います。
月の満ち欠けのメカニズム(月齢)
みなさんご存知の通り、月は約29.5日の周期で少しずつ姿を変えています。
その変わっていく姿を昔の人達は、満月、三日月などと呼び親しんできました。
このメカニズムは、
『太陽、地球、月の位置関係によるもの』
と言うお話は、小学校の理科の授業で習ったかと思います。
実に風情があり、ロマンチックなお話です。
潮の満ち引きのメカニズム(満潮・干潮)
そんなロマンチックなお話の中から、まずは地球と月の位置関係が及ぼす影響を見ていきましょう。
地球と月が関係する事象として、釣り人にも知られているのが
『潮の満ち引き』
です。
海釣りにおいては最も目に見える形で現れる現象ですが、なぜこうした潮の満ち引きが起こるのかと言うと、ズバリ!
『月の引力』
が働いているためです。
図を見てもらえるとわかる通り、Aの位置では地球と月の距離が近くなるため月の引力を最大に受けることになります。この時、海面が持ち上げられ『満潮』となります。
Bの位置では、月の引力が弱まるため海面が下がり『干潮』となります。
じゃぁ、CとDの位置の時はなんなの?
というのが、満潮や干潮が一日に2回来るメカニズムの正体で、これを
『潮汐力(ちょうせきりょく)』
と言います。
潮汐力の説明は専門的過ぎるのでここでは割愛しますが、簡単に言うと、
『引力を受けている反対側の地域でも同じくらい海面が持ち上げられる現象』
です。
それぞれ2回来る満潮と干潮の時間は、釣行時のスケジュール(休憩などの時間配分)にも影響するので、一日の中でどう変化するのかは釣行前に把握しておくようにしたいですね。
大潮・小潮のメカニズム
ここまでは、地球と月が関係する『潮の満ち引き』について説明してきましたが、では、これに太陽が関わるとどうなるのか、というのがこの章のテーマとなる『大潮・小潮』のお話です。
『満月と新月が大潮になる』
ということを知っている人は多いと思います。
では、なぜ満月と新月が大潮になるかというお話ですが、少し戻ってこのエントリーの『月の満ち欠けのメカニズム』の章の図を見てください。
太陽、地球、月の配列を見て、何か気がつきませんか?
そう!
満月も新月も、3つの天体が一直線に並んでいるのです。
満月の時は地球が太陽と月の引力を両側から受け、新月の時は月の引力に太陽の引力がプラスされることで、より強く海面を持ち上げる力が働き『大潮』となり、満潮と干潮の差が大きくなるわけですね。
これに対し、地球を間に太陽と月が90度の関係にある時は、太陽と月がお互いの引力を打ち消してしまうために『小潮』となります。
この辺りの太陽、地球、月の関係がイメージしにくい人は、『三球儀』という模型があるので立体的に見てみることをおすすめします。
理解が深まることもさることながら、こんな風に天体を学ぶのは小学校か中学校以来の経験だと思うので、ちょっとワクワクすること間違いなしです。
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なぜ大潮では「釣れる」と言われるのか
ここまで来てようやく釣りのお話らしくなってきましたが、なぜ大潮では「釣れる」とされているのかと言いますと、一般的には以下の理由と言われています。
満潮と干潮の差が大きい
↓
潮がよく動く
↓
プランクトンがよく動く
↓
それを食う小魚がよく動く
↓
それを食う中〜大型魚がよく動く
ただ、この理由は間違っていないものの、「大潮だから釣れる」という考え方は個人的には安易だと思っていて、これ以外にも天候や水温、水質、もしかしたら地震や火山の活動などなど。色々な要因が「釣れる」「釣れない」に関係してくると考えています。
実際、大潮で丸一日頑張ってボウズだった時も何度もありますし、むしろ筆者の釣果で断トツ1位なのは中潮だったりします。
まとめ
とにかく、海は気まぐれが当たり前であって、人間がコントロールできるようなものではありません。
それでも、
「今日はどうやったら釣れるかな」
とか
「今回はアレを試してみようかな」
などと想いを巡らせ釣行に挑むこと、またその過程を楽しむことが海釣りの醍醐味だと思っています。
釣れる時も釣れない時も、海釣りのすべてを満喫する気持ちでいたいものですね。